深夜。
波の音に包まれ、深い眠りに付く僕を突然の豪雨が襲う。
激しくテントを叩く豪雨に僕は飛び起きた。
どうやら夜中のゲリラ豪雨にはまったようだ。
だが、寝けには勝てずまた寝る。
朝8時頃だろうか、目が覚め外を見渡す。
まだ雨が降っている。そしてテントは四隅から浸水しだしていた。
危なかった。またキャンプ難民になる所だった。
小雨がうっとしが、出発しよう。
見事な曇天。そして唯一の制動装置のフロントブレーキは恐ろしいほど効かない。
のろのろと走り出し高知市街地へ向う。
高知には去年も来た。四万十川の源流までいったんだっけ。
しかし、寄らなければいけないのである。
だって、高知城に行ってないんだもんね。
高知城の側まで来ると雨は止み、また夏の陽気だ。
バイクを止め、いざ高地城と意気込、入り口付近で年配方が集まっている。
何かと思い覗いてみる。
只の異常な熱気に包まれた将棋サークルだった。
将棋に熱くなるご年配は置いといて、そそくさと高地城に入る
見事な表門だ。
石垣には珍しい「石樋」が設けられていた。
雨の多い土佐ならではの排水機構だそうだ。
残念ながら天守閣最上部は高欄は漆塗装の最中で美しき全貌を拝むことは出来なかった。
天守閣と御殿が一緒になった構造は、いやはや見所満載。
僕の「偉くなったら住みたいお城ランキング」に一躍1位に躍り出たほど良いお城だ。
その後、高知の町を散策するも特に変わったものも無く、途中で「握り天」とか間食ばかりしていたせいかお腹もすかず、そろそろ時間だ。と言うことで帰宅の路に着くことにしたんだ。
橋を渡れば神戸の街だ。四国とはさよなら。
明日の昼までに家に帰れればそれで良い。
大阪で2時間 名古屋で2時間 仮眠をとりながら気ままに高速を進んだんだ。
富士川のSAに着いたのは朝。うすーく見える富士山を見ながら朝食。
なんだかロハスな気分だ。
後は東京まで1時間チョイ。一気に帰るかと疲れた体でバイクに跨って再び高速を走り出したんだ。
だが、世の中そんなに甘くないらしい。
まさかの
「ガソリンキャップ落下」「なんだとーーーーー」と叫びながらバイクを路肩に止めキャップを探しに高速道路の上を走り回る。
交通量が多い中、決死の覚悟で横断し取りに行ったのは、潰れた空き缶。
いくら探しても見つからず、頭をフル回転させる。
解決。だがガソリンは確実にビニールを溶かすであろう。
その矢先。道路公団が現れた。
「どうしたんですか?」「移動できませんか?」
と、ナーバスになっている僕の神経を逆撫でする。
「キャップ探してよ!」僕は訴えた。
そしたら結構良い人で一緒に探してくれたんだ。
再び公団2人と僕の3人で探し出して、2~3分だろうか。
なんと道路公団の方が見つけてくれた!「もう大丈夫ですね。」と道路公団は去っていった。
助かった~と、ゴムひもを外してキャップをはめる。
「ん?」
「ん?ん?ん?」
何かが変だ。恐る恐るキャップを確認する。
「何!」
「ラバーが…無い…だと…」 終り
- 2009/09/26(土) 00:28:10|
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